病院には外科を始めとした数多くの診療科があって、それぞれナースに求められる役割は大きく異なるのが特徴だ。そんな数ある勤務地の中でも、高い看護師スキルと専門の知識が必要とされる場所の一つに小児科がある。ここは文字通り、生まれたばかりの乳幼児から成人になるまでの子供を対象とした診療科だ。
小児科で働く大きなメリットの一つにプライベートでの活用がある。自身が結婚、出産を経て子育てを行う時に、仕事で身に付けた知識や看護技術をそのまま活かすことが可能だ。同じ病気でも子供は成人に比べて病状が急変するケースも少なくない。見極めの難しい体調の変化などにいち早く気付くことができるのも、小児科だからこそのメリットと言える。
前述したように、ここでは高いスキルと幅広い知識が要求されるため、ナースとしてスキルアップできるのも魅力だ。
たくさんのメリットがある反面、気を付けなくてはいけない点もある。その一つが精神的なストレスの蓄積だ。病院に来る患者は十人十色それぞれ性格が異なるため、相手に合わせて柔軟に対応しなくてはいけない。小児科に訪れる患者は意思の疎通が難しい乳幼児が多く、スムーズにコミュニケーションが取れないことにストレスを感じてしまうこともあるので注意が必要だ。
注射による採血や薬の処方など、成人と子供では看護のやり方は大きく変わる。別の成人を対象としている診療科から移動してきたナースが、それまでのスキルが通用しないことで挫折してしまうことも珍しくない。どんなにキャリアを積んでいても一から学ばなくてはいけないという部分は、人によってはデメリットにもなりえるだろう。